2015年11月7日(土)、青森県水産ビル6階研修室で第53回グローバル・トーク「もし、あなたが故郷を追われたら…~難民を知る~」を昨年度に引き続きJICA東北との共催のほか、今年度は認定NPO法人IVYさんのご協力により開催し、高校生、大学生、社会人など24名の方にご参加いただきました。
まずはJICA東北の小笠原直子さんの進行により、難民の基礎知識を学びました。
①穴埋めクイズで学ぶ「難民の定義」
②難民がどこの国で発生したか白地図を使って考える「世界の難民」
③三択クイズで学ぶ「難民について」
など、思いのほか理解されていないことも多いことがわかりました。
*難民が発生していると思われる地域にポストイットを貼ろう*
続いて今回のメインテーマである難民に関するワークショップ「もし、あなたが故郷を追われたら…」をファシリテーター・安達三千代さん(認定NPO法人IVY)の進行により行いました。
ラウンド1 祖国(シリア)から逃げるか、そこにとどまるか
参加者を6グループに分け、グループ毎に親や子どもなどの配役を決めて「家族」を作り、実際のシリアの写真を見ながら戦闘の発生などを踏まえて、もし自分達ならどの時点で避難するかを「家族」で話し合いました。
ラウンド2 クルド自治区へ逃げる
① 避難するにあたり乗せてもらえる車は4席しかないため8人家族の中から4名を選ぶ
② 難民申請書記入と提出の大変さを体験
③ 記入された難民申請書を小笠原さんが難民支援組織としてチェック
④ 難民登録証と食料配給カードを受け取り難民としての生活開始
以上の流れを実際に体験しました。
参加者は予想以上の難民申請書類の煩雑さに苦労し、「家族」によっては書類不備等により再提出を指示されるなど、難民認定までの難しさを感じた様子でした。
また、難民認定時に受け取った配給カードを実際に使用し、シリアで食されているデーツ(なつめやし)・ピスタチオ・ひまわりの種・いちじくなどの配給を受けて「家族」で食べました。日本では馴染みの薄い食材もありましたが、「思ったより食べやすくておいしい」という声もありました。
*アラブでよく食べられるナツメヤシと干しイチジクを食べながら交流を深める皆さん*
ラウンド3 キャンプ内にとどまるか、外で生活するか
1ヶ月目・2ヶ月目・3ヶ月目のキャンプ内の様子や設備を写した写真やキャンプ内で配布された新聞記事を元に、時が経つにつれ状況が変わることを学び、キャンプ内に留まるか、制約のないキャンプ外で生活するかを「家族」で話し合い、なぜその結果となったのかを発表しました。
*グループ毎に発表*
その後は各々が「ふりかえりシート」に印象に残ったこと、難民に必要なもの、もっと知りたいこと等を記入して「家族」の代表に発表してもらい、ファシリテーターによるまとめをもって閉会しました。
*ファシリテーターの安達さん*
ニュースなどで耳にする機会の増えた「難民問題」について改めて向き合うことにより、日本人として、地球人として何ができるのかを考えるきっかけとなったのではないでしょうか。
今回は認定NPO法人IVYさんのご協力により、外務省NGO相談員出張サービス制度を活用し開催いたしました。
ご参加いただきました皆様、ご協力いただきました関係機関の皆様、ありがとうございました。
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