多文化共生社会を推進するのは誰?

 在住外国人は市町村に住民登録をした住民ですので、日本人同様に税金を納め、住民としてのサービスを受ける方です。そこで、市町村が在住外国人の暮らしやすい環境をつくる責務があります。他方、市町村は地域を活性化する任務もありますので、外国人を雇用する地域企業を支援したり、外国からの誘客のため地元に住む外国人の協力が必要になります。地域に住む外国人を支援することは、将来への投資となります。

 本県の在留資格第一位の外国人技能実習生に対し、雇用する企業や監理団体は実習生を保護したり、地域で問題なく生活できるよう指導する義務があります。企業や監理団体は、実習生をさらに育て、長期的・安定的な雇用を得たいと思えば、地元市町村と連携して交流の機会をつくるなどが必要です。

 県は、県内市町村を包括する広域的な団体で、個別の市町村が取り組むよりも広域的に取り組んだ方が効果があるときに登場したり、市町村に取り組んでほしいことを先導してモデル的に行います。

 労働問題や消費生活、家庭生活その他に係る行政機関や法テラスの相談窓口は、外国人が法律的な問題に巻き込まれたとき頼りになる存在です。

 当機構は、県内の全市町村に会員になっていただいています。全県を視野に多文化共生を推進し、県から受託した業務のほか、市町村振興に協力することが重要な責務です。

市町村はどうすればよいか ~地域の実態に合わせる~

市町村は、多文化共生のための施策を進める場合、以下の準備をしましょう。

在住外国人の実態把握

  • 当機構が頼りにしている法務省在留外国人統計は、市町村の住民基本台帳のデータが元になっていますので、むしろ市町村の担当者がどんな外国人がどのくらい自分の市町村に住んでいるか実態をよく知ることができる立場にいます。入国ビザの種類ごとに外国人がどのくらい住んでいるか、技能実習、永住権等、留学生・研修、技術・人文知識・国際業務の方、家族滞在、日本人の配偶者、その他に分けて把握することが必要です。
  • 次に、要支援の外国籍等の児童・生徒等について市町村教育委員会と情報交換します。
  • 最後に、外国人雇用企業や監理団体からヒアリングをして状況を把握しましょう。

多文化共生のための事業づくり

市町村内の支援ニーズをまとめ、最も必要な事業から始めましょう。ある程度イメージができた段階になれば、当機構から以下のような支援をします。

  • 日本語教室を開く場合の講師や学校支援員の派遣を受けたい。
  • 外国人相談窓口の通訳の確保をしたい。
  • 避難訓練や交流事業のための人材派遣を受けたい。